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93.参議院選挙後の参議院情勢の一端について。
 参議院選挙が終わって、国会議事堂を去る先生もいれば、新たに議事堂に来る先生もいる。新しい先生が議事堂でどんな活動をするのか楽しみである。
 自民党は新旧交代が上手くいって、「族議員」が各常任委員会で活躍するだろう。大体の議員が再選されたことで参議院自民党はさらに経験豊かな強い集団になるだろう。文教科学委員会要員のタレント議員過剰が悩みの種か。
 民主党は選挙区で若くて各常任委員会で専門的に活躍しそうな議員がいる。再選された議員も少なくない。比例選で、議会で活躍しそうな人々を落としたことと、議員数微増程度では国会で実がとれないことが問題である。
 公明党・共産党・社民党は議員が相当入れ替わった。前職議員が相当経験を積んでいる人々だっただけに議会活動方面は大丈夫なのだろうか。公明・共産は毎度のことで大丈夫だろうが、社民は前職全滅で、非常に不安がある。共産党は20議席丁度でセーフ。社民党は全委員会に対応できなくなりそうだ。
 自由党・保守党・無所属の会は増えたり減ったりしたが、10議席以下では理事は出せないし全委員会押さえられないし、充分な議会活動ができない。
 著名議員も、一人では実質何もできないのが現状だ。質疑風景は多少面白くなりそうだが、参議院は選挙でほとんど変わることがなかったといえる。


94.議事堂の片隅を離れた作者読者の雑感について。
 就職活動のために1週間程国会議事堂に行っていない。実は私は公務員になりたいので、現在は国家公務員U種の官庁訪問をやっている。議事堂の隣の霞ヶ関、あるいはさいたま市や横浜市などにある国の機関を連日訪問している。
 後ろ髪を引かれながらの官庁訪問である。私抜きで仕事をしている国会議事堂のある部署の皆様に申し訳なく思っている。一般に、社員や職員がいないと時々起こる重要な仕事に対応できず、その部署は機能不全になるが、アルバイトがいないと常時仕事が遅れ、社員や職員の負担やストレスが増える。何とか早く内定をもらって、早く議事堂に帰って自分に課されている仕事をやりたい。
 就職活動に専念していると、政治に疎くなる。議事堂で仕事をしている時よりも、政治に関心を持たなくなるようだ。参院選の投票率が3年前を下回る56%で、公開討論会を手伝った私は悔しい思いをしたのだが、打ち込むべき仕事を持っている人々にとって、政治はまだ関心を持つ価値のないものかも知れない。政治はまだ娯楽の域を出ないどうでもいいものなのかも知れない。
 選挙が終わって、人々の多くは政治に物申せぬ貝になった。次の選挙の、遅くなると3年後まで、人々の多くは政治家のやることを黙って受けるだけの立場に置かれる。別にその立場が気にならないのが現在の社会状況である。


95.第152回国会のあれこれについて。
 8月7日から10日まで第152回臨時国会があった。8月7日に参議院で本会議があったようだが、私は官庁訪問で休み、新議員の初登院風景を見ることができなかったのは残念である。8月8日には、ある職員さんが「大仁田さんとばったり会って、『ファイヤー!』をやってもらった」と自慢していた。
 第152回国会は、参議院の正副議長、そして各委員会調査会の長並びに委員を決め、後は本会議の座席を決めるための短い国会だった。参議院本会議では、友部達夫議員が収監されて以来の全員出席が久しぶりに達成された。
 参議院の議員会館や宿舎では新旧議員の入れ替えがあった。さらに、国会議事堂内の各政党の議員控え室の割り当ては議員数によるので、議員数を減らした政党の控え室は狭くなって、しかも今までの部屋を取られて移動を余儀なくされたりする。ある政党はなぜか今国会中の部屋移動を行ってくれない。
 8月8日は開会式であり、議事堂に天皇陛下をお迎えする重要な日である。開会式の国会議事堂はいつもにも増して警備が強化され、衛視さんの制服がドレスアップされる。今回の開会式では衆議院議長が式辞の原稿を読み間違えたそうである。「国民の信託を…」を「国民の付託(負託?)を…」とやったそうだ。官報にどっちを載せようかと担当の人が悩んでいるそうである。


96.最近気になった世論調査ふたつについて。
 ひとつめ。読売新聞社が8月4日・5日に行った面接調査(8月11日朝刊に結果掲載)で、今年の参院選を棄権した人は23.7%いた。気になったのは、その棄権者に「もし投票に行っていれば比例選でその政党(の候補者)と思いますか」という質問で、「自民党」が51.4%で、「民主党」の11.1%を引き離したということである。自民党は1人区のほとんどは制したが、2人区の独占は果たせなかった。しかし、もし棄権者が投票に行っていたら、自民党の2人区独占や単独過半数突破も可能だったのかも知れない。無党派層を遠ざける投票日設定が、皮肉にも自民党不利、民主党有利に働いたようだ。
 ふたつめ。共同通信社が8月6日から8日に中国江蘇省南京市で行った面接調査(8月10日神奈川新聞に結果掲載)で、76%が日本の首相の靖国神社参拝に反対の姿勢を示していることが気になった。「意外に少ない、90%を越える数字が出ても不思議ではない」と思ったのである。「南京大虐殺」から64年、若い世代が増えたにしろ彼らも教科書等で「大虐殺」を教え込まれているはず。73%が「靖国神社にA級戦犯が合祀されている事を知っている」とのことで、靖国神社を知らないということもない。76%は「多い」も考えられるが、最近の強硬中国のイメージからするとどうだろう、と私は思った。


97.永田町でよく見かけるデモ隊について。
 永田町の議員会館前では、デモ隊の姿がよく見られる。のぼり旗を数本立ててビラを配っていたり、何だか大声で主張を叫んでいたりする。5月初旬(憲法記念日)や今国会終盤(教育3法改正)には毎日いたような気がするが、普通の日でも3日に1回くらいは見かける。中でも、全国の官公労が集結して議事堂周辺を行進するデモ隊は大規模である。警備が門を固めてものものしい雰囲気になるが、議員面会所前でデモ隊を慰労している議員さんがいたりする。
 しかし、特に「叫び」系のデモは、報道陣に見せ、当該団体の活動記録に載せる以外にはあまり効力がない。今月には靖国神社関係のデモが多かったが、国会が閉会中で議員さんが永田町にいないのは計算済みで、彼らは議員秘書事務員さんや国会職員さんに対してデモをやっているのだろうか。しかも、議事堂の中から聴いていると、何かを叫んでいることはわかるけど、早口かつ声が小さい(スピーカーの出力不足だろう)ため、何を主張しているのだかよくわからない。ただ、流暢にしゃべっているので、自分の主張はしっかり頭の中で理解して必死になってしゃべっているのだな、とは思う。時々必死すぎて、男の人が「〜〜するぞー!」の所が裏声になったりする。その時は私のいる部屋で爆笑させてもらった。デモ隊の人にとっては不本意な反応かも知れないが。


98.小泉首相の本気ぶりを議論することについて。
 近頃の新聞報道を観ると、民主党内紛とか抵抗勢力台頭とかの「政治部記者の手柄話」の他に、小泉首相目指すところの構造改革が進んでいることを知らせる記事が載っているようである。22日には、文部科学省傘下の宇宙開発事業団などの宇宙3機関が統合される見通しという記事が出た。石原行政改革相や各種諮問機関などの前向きな行動も記事になっている。小泉首相は、参院選に勝つための方便としてはなく、本気で構造改革をぶち上げたのであった。
 論陣のかなりの部分は、小泉首相の本気さを計算した上で、「小泉首相はいつかは抵抗勢力と衝突し、自民党を離党して解散する」と議論している。
 これは、小泉首相の実行力を評価し、小泉プラス民主・自由が小泉抜き自民に選挙で勝つことを前提とした議論であると思う。しかし、昨年11月の加藤紘一氏の挫折の原因は「離党して選挙に出ても自民党の組織力には勝てない」ということだったはず。先の参院選で小泉ファンの無党派が棄権し、組織力を持った候補が勝ったことは論陣の方々の計算に入っているのだろうか。
 そもそも、小泉側は東北北陸中国四国の保守王国には候補者を立てられず、都市部では小泉側同士が票を食い合って、今の民主党のように「善戦しかし過半数ならず」という一番つまらない状態になるのが憂慮されるところである。


99.8月第5週の自民党政調と来年度予算の動きについて。
 相変わらず国会議事堂は閉会中であり平静を保っている。議事堂に喧噪が戻るのは9月下旬の臨時国会がはじまる頃になるだろう。議事堂内の関係者は夏休みを取っている状態である。ちなみにフリーターには制度上夏休みは無い。
 しかし、小泉首相が夏休みを終えた8月第5週あたりから、国会議事堂以外の永田町や霞ヶ関はにわかに忙しくなるようだ。来年度予算の概算要求に関する、官僚と議員との予算争奪合戦が、与党政務調査会で始まるようである。
 議事堂が発行する「公報」という「国会新聞」みたいな冊子に、各政党の予定表みたいなものが出る。自民党は8月第5週に各分野の政務調査会(政調)を開催して、来年度予算について協議する、と公報に載ってあった。他の政党は目立った動きはないが、自民党の各議員はこれから永田町に通いである。
 報道によると、来年度予算の各省庁の概算要求が出ている。おそらく政調ではこの概算要求について、官僚が説明に行き、議員が官僚に様々な要求を伝える、という段取りが組まれているのだろう。今回の予算は小泉首相による財政構造改革で予算が切りつめられているから、公約実行のため予算が欲しい議員は、「抵抗勢力」呼ばわりをされるのを避けながら、官僚に厳しい意見を出すに違いない。なんだかんだ言われる官僚の、結構つらい場面でもある。


100.野党4党の臨時国会早期開会要求について。
 29日午前に、野党4党が景気回復・雇用回復のための臨時国会の早期召集を政府に申し入れた。憲法53条に、衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会召集を決定しなければならないという規定があるので、4野党は衆議院議員188人の署名を同時に政府に提出した。
 このニュースで国会議事堂は震撼した。というのは大げさだが、議事堂お勤めの皆さんは閉会の時に交代で休みをとっていて、臨時国会開会が9月下旬だと決め込んで9月中旬に休みを取る予定の方々がいる。その方々にとっては悲報である。この臨時国会は12月まで行われ、1月から通常国会だから1年休み無し、それだけに9月は休みが欲しいというのが皆さんの本音であろう。
 自民党は、「株価対策をとってから開きたいので、9月下旬の開会になる」という見解をとっている。政策形成を国会でやるか国会外でやるかという与野党の意見の違いがある。民主主義の原則からだと野党の主張に軍配が上がる。
 しかし、完全失業率が5%になり、日経平均株価が1万円を切ったから国会開会時期を早めて、与野党とも即効性のある政策を持っているのだろうか。野党が政策を持っていたとしても、過半数割れで退けられるだけで実効がない。論戦を期待する報道やワイドショー視聴者には朗報なんだろうけれど。


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