
217.政治家を支持者と安保政策で分類することについて。
経済的強者と弱者がいて、今までの自民党政治は一部の経済的弱者を救済してきた。小泉改革は経済的強者を優遇しようとする政策と見える。一方、今までの自民党政治では救済されない経済的弱者もいた。以前私は、政治家の支持者を「経済的強者」「今まで救済された経済的弱者」「救済されていない経済的弱者」に分けて政界を論じたことがある。これに、「政治家自身が安全保障政策に積極的か否か」を加えて、政治家を6つに分けて論じてみる。
1経済的強者ー安保積極:小泉首相、民主党右派、自由党
2経済的強者ー安保消極:
3救済された弱者ー安保積極:自民党江藤亀井派、森派
4救済された弱者ー安保消極:公明党、自民党橋本派、堀内派
5未救済の弱者ー安保積極:
6未救済の弱者ー安保消極:民主党左派、共産党、社民党
現在はひとつのカテゴリーだけでは数が足りないので、1(民主党右派と自由党を除く)と3と4とが連立して政権を運営している。異なるカテゴリーの人々が政権に参賀しているので、次回の選挙であるカテゴリーが多数を染まない限り、政策面での前進は難しいという印象である。民主党中道派は、支持者が多種多様で基盤的に固定されず、政策もまちまちなので今回は分類できなかった。
218.求人の年齢制限を撤廃して欲しいことについて。
職業安定所に行って職探しをすると、求人には年齢制限や性別制限がかなりきついことがわかる。私は30歳だが「30歳くらいまで」と年齢制限する求人が多い。また、「男性のみ」という求人も多いが、事務などは「女性のみ」ということもかなり多い。それで結構、自分がやりたい仕事、向いていると思われる仕事に年齢制限や性別制限があって、他の仕事に就けなくて無職を続けているという人々は不幸である。かくいう私がそれにあたるので厳しい。
今国会で、求人の年齢制限をつけないことを義務付ける「労働者の募集及び採用における年齢に係る均等な機会の確保に関する法律案」(第156回国会衆法42号)が提出された。私個人に限って言えば、非常に喜ばしいことだ。この法案が成立すれば、特に公務員採用に年齢制限がなくなる。公務員への道を年齢がゆえに断念して、取り返しのつかない日々を後悔することがなくなるからだ。
公務員の採用というのは、年齢制限を越えると受験すら許されない。しかも、年齢制限上限の人は忌避される。国家公務員に至ってはほぼ新卒しか採用されない。厳しい年齢差別がある。結局若年の画一された人材のみが公務員になり、硬直した人事、閉塞した行政を産んでいる。与野党問わず、求人の年齢制限は是非マニフェストに加えて欲しい。予算も必要なく、実現可能なのではないか。
219.自民党総裁選の番狂わせについて(あるいはその1)。
9月20日に行われる自民党総裁選は、諸報道では現職の小泉純一郎首相が有利とされ、亀井静香氏・藤井孝男氏らの「反小泉勢力」は不利とされている。そこで私は半ば強引に、「小泉首相が次期総裁になれないとしたら、どのようなときか」について考察したい。
青木参議院幹事長が参議院議員を小泉氏支持でまとめている。しかし、青木氏は橋本派幹部が藤井氏でまとめようとするのを強権的に遮った。これには自民党党員は青木氏を不快に感じるかもしれない。従って、参議院が小泉氏支持でまとまるとは一概には言えない。
自民党党員は既に公明党に大幅に譲歩している上、「自民党をぶっ壊す」小泉首相にまでさらに譲歩を許すほどプライドがないとは思えない。彼らは小泉支持を指示されても、棄権するかもしれない。
小泉氏でないと総選挙では勝てない、という。しかし、前回の総選挙では、自民党に不利な状況ながら郡部では自民党が堅く勝っている。今回の民由合併は野党に有利に働くかもしれないが、野党は選挙区の重なる候補の調整に手間取っている。調整から漏れた候補が無所属で立候補する可能性が多く、野党票が割れる、しかもこの現象は自民党が弱いといわれる都市部で顕著である。
小泉首相は政策の幅が狭く、言語明瞭ながら意味に乏しい。政策論争なら、他の候補の政策のほうが人々の耳目を引く場合がある。
220.自民党の菅代議士について。
神奈川2区(横浜市西区・南区・港南区)に、菅義偉という自民党の衆議院議員がいる。「すが よしひで」と読むこの代議士は、革新の強い神奈川のしかも都市部で、連続2回当選してきた。都市交通の専門家で、治安・北朝鮮拉致問題でも政策を出している。
菅代議士は、シーズンになるとほぼ毎日、選挙区内で国政報告会を行う。毎日国政報告会を行う国会議員は皆無ではないかもしれないが、菅代議士の特異なところは、国政報告会の日程をホームページに公開しているところである。例えば自民党政治家で毎日国政報告会を行う人がいるだろう。しかし、その日程は後援会の人間しか知らず、一般の知るところにはならない。したがって、その国政報告会に行くのは支持者だけ、あるいは動員ということもあるだろう。
だから、神奈川2区近辺に住む政治に興味のある人々は、菅代議士の国政報告会に一度行ってみたらどうか。自民党の代議士が何を考え、どう行動するかの一端がわかる。もっとも現状は、参加者が50人いるとすれば49人が菅代議士の支持者だから、菅代議士に反対するような質問は難しいかもしれない。しかし、ホームページで公開している以上、菅代議士側も多分支持者以外の人々の参加、発言を欲しがっているのではないかと思われる。ただし、菅代議士も支持者も礼儀正しい。マナーを守り、節度を守る必要は当然ある。
221.自民党総裁選の番狂わせについて(その2)。
小泉純一郎首相の再選が報道では確実視されている昨今、番狂わせの話をするのもコラムの無駄かもしれないが、「その1」を書いた関係上、何とか書くことを探して、「その2」も書くことにする。
自民党総裁選の党員投票の投票率は、高いとは言えない。1999年9月の小渕・加藤・山崎3氏の争いのときは、49.3%であった。小泉首相が誕生した2001年4月のときは、最多は京都府81.5%、最少は東京都36.2%であった(党員投票を行っていない県があるので、全国の党員投票率は出ない)。今回の総選挙では、自分の意思とは違うのに上からの意向で小泉氏に投票しなければならない党員がかなり棄権しそうである。あるいは投票率40%を下回り、意外に小泉票が伸びなくなる可能性がある。
前回の総裁選では、党員票で予想に反して小泉氏が票を取って、国会議員投票での小泉優位を決定つけた。可能性は低いが、今回の総裁選で、小泉氏にとっては真逆の結果が出ないとは限らない。
返す返すも、若手の出馬がなかったのが残念だ。多分実際は推薦人を揃えていたのだが、小泉陣営からの相当な締め付けとあるいはポスト提示があって、諦めたのであろう。60歳代の候補者たちによる、自民党支持者以外にはピンとこない出来レースの総裁選は、無党派層を自民党から離れさせるのではないかと私は考える。
222.予想は当たらない自民党総裁選後について。
今回の自民党総裁選の党員投票率は69.33%で、史上3位の高投票率だったという。私は今回の投票率は低いと予想したから、大はずれである。私は「2ちゃんねる 議員・選挙板」上で新内閣の顔ぶれも予想したが、半分も当たらず散々な思いをした。
地方新聞を読んだら、自民党国会議員は総裁選より総選挙のほうに力が入っているとあった。かなりの職域団体が自主投票で、しかも本来の意に反する小泉氏に投票しなければならない。だから、棄権が多くなると予想したのに、何たる結果なのだろうか。
あるいは、今まで「党員になった覚えがないのに投票用紙が来た」とか、何かと問題が多かった職域団体の党員が全体として減ったのかもしれない。しかし、それよりも、各議員が総選挙を控えて党員を引き締めてきたという要因のほうが強いのだろう。あるいは次の総選挙では自民党は党員がよく動いて、相当強いことが予想される。
今回の安部幹事長といい、若手中心の組閣といい、横滑り人事といい、なんとなく、「選挙対策専用人事」のような気がする。本格内閣は総選挙後にできるような気がする。自民党の実力者が、異例尽くめの安部幹事長をあっさり認めたのも、「期限付き」の暗黙の了解があったからではないだろうか。とにかく、今回の自民党は、なりふりかまわず総選挙に取りかかっているような気がする。
223.民主党は政策で先んじたのだろうか、について。
ある党の政策に別の党が反対するのは、その反対がある程度の国民的支持が得られるからである。もし反対してもそれが国民に支持されない場合、別の党はその政策と似通った政策を出す。それは、オリジナルの政策を出した政党が優位に立ったことを示す。と、池田勇人首相の秘書官だった伊藤昌哉氏は、著書の中で述べている。
池田首相が所得倍増計画を出し、対する社会党は4年後に国民所得を1.5倍にするという政策を出したとき、優位は与党自民党のほうにあった。現在は、与党は内閣提出法案を通すことをわが党の勝利とし、野党は独自法案を提出し、その内容が内閣提出法案に採用されるようになった。そして、民主党が知名度の高い若手を幹部に起用したことに続き、自民党も閣僚や党幹部に若手を起用した。
政策面では、民主党は与党に対し優位に立った、と言える。与党は政策は官僚に任せ、政策以外の政治を国民に訴え勝利を目指す。
民主党のマニフェストは、「高速道路無料化」という厄介者があるものの、政権奪取可能な政党らしいものにできあがったものになったと思う。ただし、やはり実現化に向けては大きな疑問がある。民主党は、現在の官僚とは全面対決する運命にある。官僚をどうするのか。全部切るのか、一部、全部残すのか。官僚の扱い方にオリジナリティーを出さないと、真の政策の優位は得られないと思う。
224.総選挙に参加したとりあえずの感想について。
統一地方選挙に2回参加して、国政選挙は補選を含めて今回は3回目の参加であった。何が起こるかわからず、計画が一瞬にして白紙になり、稼動している人に仕事が集中して、文句や愚痴が飛び交う。「人の死なない戦争」と称せられる選挙を、私はまた経験した。
あるいは、民間にせよ官公庁にせよ、忙しいときは選挙以上の過酷な状態に陥るのであろう。私は選挙以外にそんな経験をしていないから、ことさら選挙を大げさに考えているのかもしれない。
選挙ビラはこちらの配る技術でとらせるものだが、今回は「政権公約・マニフェスト」を自分から手を出してとっていく人々が多かったので、人々の真意を測りかねて逆にとまどったものである。
しかし結局、投票率は60%そこそこで、人々の選挙に関する関心はあまり高くなかった。人前で数日間一生懸命選挙をしていたのが人々には苦々しく映っていたかと、どうもがっかりしている。
投票する人々のための選挙はやられていない。自らのために候補者陣営は選挙をやっている。これは、お客様本位で利益を考えずに商売することがないのと同じである。選挙や政治の世界だけ、「人々本位」でなければいけない、というのはあり得ない。そこまで人々が選挙や政治に求めるのなら、人々自身が政治や選挙をもっと本質的に知るよう日々の生活から精進しなければならないと私は思う。
225.楽なビラ配りのときの気配りについて。
今回の総選挙後のいろいろな報告によると、今回は政党無所属を問わず、ビラ配りは非常にやりやすかったそうだ。若い女性が一番取ってくれなかったと言うが、私の場合は、複数の若い女性にビラを出したら、ひとりが「私もらう」と受け取ったこともあった。
私自身は、複数の政党でビラ配りの方法を教わったので、極端なものではない政治関係のビラなら取らせる素地がある。それだけに、むしろ今回の「入れ食い」状態には戸惑った。結局投票率は低かった。ビラ配りの努力が必ずしも報われない状況が訪れつつあるのだ。
今までは、そして今回も、両手に買い物袋を持った年配の主婦が来た場合、その荷物で重たいであろう彼女の手にこちらがビラを持っていくことで比較的容易にビラを取ってもらうことができた。
しかし、有権者の立場が感じる、重い荷物を持ちながらビラを手に取るわずらわしさを、候補者の立場は無視してきたように思う。「こちらが落ちて人々にかける迷惑に比べれば、この程度の迷惑は人々は甘んじるべきだ」という論理が、候補者の立場の甘えになっていた。だから私は途中から、相手によっては「どこそこのだれそれをよろしくお願いします」とささやいてビラを見せるだけに留めることにした。どこまで有権者の立場にたてるか、の問題である。
226.公職選挙法が分ける一般人と政治関係者との違いについて。
政治関係者同士がフリートークをすると、志や政策の話より、公職選挙法の話のほうが盛り上がる。政治関係者にとって、政策知識はともかく、公職選挙法の知識は最近特に必須となっている。
末端の運動員の選挙違反が、候補者自身の逮捕や当選無効など、たとえ自身が関知していなくても候補者自身の選挙違反になりかねない。公職選挙法の「連座」の部分が厳しくなったことで、選挙がかなり様変わりした。一般人の積極的な政治参加が困難になった。
相手陣営にスパイを送って選挙違反をやらせ、相手陣営の候補者を無力化させることによって労せずして勝利を得るという戦略が有効になった。従って、各陣営はスパイを警戒し、素性のわからない一般人は排除され、身内関係者だけで選挙が行われるようになった。
たとえ一般人が選挙に参加するにせよ、そもそもボランティア、勝手連なのに、自発的に勝手なことをすると選挙違反になることがあるので、その手のことは厳に慎まなければならなくなった。
選挙関係者にとって、好敵手はむしろ公職選挙法の解釈を行う選挙管理委員会になっている。いかにして選挙管理委員会をまるめこんで、きわどい選挙運動を行ったのか、という自慢話が、政治関係者同士で盛り上がる。彼らはこの手の自慢話には「それって違法だよ」と口を挟んで自分を慰めつつ、その手を次の選挙に応用する。