190.勝手に政治家を分類して政界再編を論じることについて。
 日本の政治によって、今まで利益を受けてきたがそれが失われそうな人々、今現在利益を受けている人々、未だ利益を受けていない人々が、それぞれいる。私が勝手に定義すれば、一番目の人々が「守旧者」、二番目の人々が「改革の支持者」、三番目の人々が「その他の人々」となるのだろう。地方政治において、与野党相乗り政治で利益を受けてきた人々も「守旧者」と考えられる。
 すると、現在の与野党の政治構図がわかるような気がする。政治家個人だけではなく、その政治家の支持者を考慮して分類する。
 この分類に、現在判明している若干の欠陥を指摘すると、「改革派知事」が地方の原理を以って「抵抗勢力」化している、これは「守旧者」か、という問題がある。あと、「守旧者」の支持者の信頼を得て、彼らと違う「改革の支持者」をやっている政治家もいる。
 現在、数において「守旧者」と「改革の支持者」が組んで、「その他の人々」を凌駕している。しかし、「守旧者」と「改革の支持者」とは、どちらの方が多いのだろうか。「改革の支持者」と「その他の人々」を合わせるとどうか。「守旧者」が「その他の人々」を取り込むか。現在の政界再編は、政治家があらためて人の分類分けと人数数えをやっている状況にあると私は思う。現実的には中途半端に終わり、見切り発車が続発することになるだろうが。
 


191.イージス艦による日本防衛の一議論について。
 政府がイージス艦をインド洋に派遣することを決めた。賛成派も反対派も妥当な理由を持つ厄介な政治問題になる。人々の安全に関わる問題なので、報道よりも別視点の議論をここで試みてみたい。
 公明党の有力議員が「イージス艦を日本に派遣したら、日本の防衛に穴が開くのではないか」と憂慮した。貴重な指摘である。
 よしんばアメリカに頼らずにミサイル攻撃から日本国土を守るためには、4隻のイージス艦が日本近海に配備されていることが不可欠なのではないか。アメリカがいたずらにイラクを重要視し北朝鮮を二義的に扱う現在、北朝鮮の軍事的脅威を日本はことさら警戒する必要がある。マスコミはこういう大事な北朝鮮報道をしないので信用ならない。日本政府はアメリカに「日本の事情」を説明してイージス艦をインド洋に出さない選択をしてもいいはずである。
 ただし、韓国がイージス艦を保有しないで自国を防衛している事実がある。本当はアメリカがイラクよりも北朝鮮攻略に熱心にならなければいけない。そのためにイージス艦の情報がアメリカ軍に使われたからといって、誰が「集団的自衛権を侵害する」と憤慨するだろうか。今の日本の世論では。それはそれで問題かもしれないが。
 保守党の党首が「イージス艦は護衛艦である」と言っていたが、多分報道が前後をカットしたためであろう。わけがわからなかった。


192.どの政治家も同じ層の支持者を頼っていることについて。
 12月6日は松沢成文氏の民主党神奈川9区総決起集会、12月7日は藤田幸久氏の民主党東京12区定期大会(仙谷由人氏講演)、12月8日は枝野幸男氏のオープン・ミーティングと、3日連続で民主党の集会に行ってきた。まあたまたま日程が重なっただけで、特に民主党のみを応援しているつもりはない。講師が良くて、安くて、私の日程と重ならなければ政治講演会には積極的に足を運んでいる。
 いずれの集会も、ホームページやメールマガジンで事前に公に紹介されていた。しかし、出席者は地元の高齢者が中心で、どこの党もやっている「ミニ集会」とほとんど変わりなかったようだ。
 若い人はもとより、30代から40代くらいの人々もあまりいなかったような気がする。政治に感心があり、実際に政治と関わっている人々が本当に限定されてしまっていることを感じる。
 地域の政治集会に出席する人々は、多分自民党であれ民主党であれ無所属であれ、同じような人々なのであろう。選挙では投票に確実に行くこれらの人々に選挙運動が集中される。「とにかく歩いて有権者に会え」というのがどこも変わらぬ選挙の王道である。
 支持者が重なる以上、政党の公約も似たようなものになりがちである。だから政治家個人の人柄や力量、信頼できるか、支持者に何をもたらすか、というのが選挙ではものを言う状況になっている。


193.そろそろ政党移動の季節がやってきたことについて。
 12日23時頃に入ったニュース。保守党の野田党首が単独で自民党へ復党したいと自民党の幹部複数に打診し、保守党から思い止まるように要請され、「一晩考えさせてほしい」と答えた。という。
 野田党首という人、党首だからよく報道に談話を出す。まあ、「今まで利益を得てきて、その利益が危なくなってきた人々」の代表としての談話が多い。しかし、今回の事件でこれらの人々の株は下がったあろう。党首が単独で別の党に行こうとして、党に止められて一晩考えるというのはさすがに語るに落ち過ぎなのではないか。
 12月は政党助成金の期限が来る関係で、新党ができやすい季節であり、政変の季節である。政変というのは感情的な好き嫌いで動くことが多いので、政策とか常識とかでは考えられない離合集散がありうるのである。19日には石原慎太郎都知事がパーティーを開いて「石原新党」がらみの動きがあるし、民主党から離党者が出て新党ができるという話もあるし、野田氏みたいに他党から自民党へ来る人が増え、選挙調整が行われているという話もある。
 今年は4月に統一地方選挙があるし、国会議員から知事に転出する人もいて、4月27日補欠選挙も割りと注目されるかもしれない。総選挙は1月冒頭か通常国会後の6月にあるとされている。まあ、政策本位の人々には不満が募る日々になってしまうのだろう。


194.世代間がどうのと不満たらたら述べるについて。
 宗教紛争・民族紛争・領土紛争などなど、戦争の原因はいろいろあるが、「世代紛争」という、世代間の「戦争」が起きたことはあるのだろうか。私は「世代紛争」の存在を知らないが、その理由は、今までの戦争が、老人世代が企画して若者世代が実際に戦ったという構造だったからなのだろう。戦争で悲惨なのは若者世代である。
 人々が戦端を開くとなれば、戦場に向かうのは若者世代である。老人世代は後方で安穏と戦争を指揮することになるだろう。もっとも現代の戦争は後方を空襲する戦法が採られるので、老人世代とて安穏としていられず、従って気楽に戦争を企画することはないはずだ。しかし、老人世代も指導者ともなると、空襲による被害が異様に少なくなる。軍人以外の指導者が「戦死」することは少ない。
 だから少なくとも、若者世代が戦争をもたらす思想を信じることはナンセンスである。その手の思想は年をとってから信じればよい。どうせ安楽に死ねば「後は野となれ山となれ」で全責任を免れられる、という年になってから威勢のいい主戦論を唱えるべきである。
 実際は、核兵器によって世界が簡単に滅亡され得る状況で、今でも世界が存在しているということは、老人世代の指導者に分別や叡智や若者世代への慈悲があったということである。だからといって、若者世代はこの状況に安住するのは能天気すぎるわけである。


195.政治献金をめぐる政財官の状況について。
 日本経団連は、93年以来絶ってきた政治献金とのかかわりを復活させる方針を基本的に了承し(12月16日)、春闘の方針を「雇用維持、賃下げ、定昇見直し、ベア論外」とした(同17日)。
 売り上げの使い方、もう少し何とかならんかい、という感じである。そういえば大企業は外形標準課税に反対していて、自民党の商工族がその方向で運動しているという。今の不況は「企業トップ・経営者不況」ではないか、と文句のひとつも言いたくなる。
 まあ、政治献金の額は賃金や税金に比べれば非常に低額であり、見返りも期待できるから、日本経団連以下企業トップ経営者達の考えもわからないでもない。それならと、政治家や政党が賃金や税金並みの政治献金を要求したら、経営者は賃上げをするのだろうか。
 官僚としては、税を払わないで政治家に献金する経営者を苦々しく思っているだろう。しかし経営者は政治家を味方につけている。官僚は政治家に何かと頭が上がらない。しかし官僚は、政党助成金で政党を縛るのはもとより、政治家に予算をつけて手なずけている、という感じもある。政治家は官僚に手なずけられたくないから、財政的に官僚から自立したい。そこで政治献金がほしいのである。
 これからは「政治献金控除」とか「政治献金減税」とかで、官僚に入る金が政治家に入るようになる状況が作られるかもしれない。


196.いろいろ驚いた韓国大統領選挙について。
 韓国人は、日本人より深い人々なんだなあ、と何となく思う。
 北朝鮮とはもともとひとつの国で、朝鮮戦争で家族が北と南とに離散してしまった人々がことのほか多いと聞く。北朝鮮とは今でも休戦状態で、北朝鮮は韓国を第一襲撃予定国に指定しているのに、「もしアメリカと北朝鮮とが戦争したら、北朝鮮を応援する」と言う人が普通にいるという。日本と比べると、東京に数センチの雪が降って騒いでいるのを眺める雪国の人々に、韓国人を例えられる。
 その韓国の次期大統領に、北朝鮮との宥和政策を標榜するノ・ムヒョン氏が当選した。彼には若年世代、対抗馬のイ・フェチャン氏には老人世代が応援、「世代紛争」に似た状態になった。若年世代・戦争反対・反米感情・IT駆使が、ノ・ムヒョン氏の特徴である。
 それにしても、「日本の戦争責任がどうとか」が、今回の大統領選挙の争点にならなくてよかった。日韓関係が変わるのだろうか。
 2氏の得票数は僅差で、韓国の人々の意見がバッサリと二分されてしまった。これはアメリカ大統領選挙、日本の民主党代表選挙・横浜市長選挙もそんな感じで、2大政党制みたいなものだろうか。これからノ・ムヒョン新大統領が、自分を支持する勢力から来る要求と、自分に反発する勢力から来る苦言を、どう調整して対処するか、大変である。と、他人事っぽいコラムっぽい終わり方である。


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