165.住基ネットと個人情報保護法案について。
1999年8月に住民基本台帳法が改正され、2002年8月から、「住民基本台帳ネットワークシステム」(「住基ネット」と略す)というものが始まる。これは、別名「国民総背番号制度」といわれるもので、その是非をめぐって多くの論争が行われている。
しかし、先に書いたとおり、住基ネットは既に法律として成立しているので、これを廃するにはそのための法律をもってするしかない。住基ネットに反対する人々は「国民が知らないうちに政治家が勝手に法律を通してしまった」と主張する。まあ、住基ネットの「危険性」を事前に伝えなかった報道にも責任の一端はあるだろう。
さて、住基ネットの「危険性」のひとつに、「人々の個人情報が全部公開されてしまう」というものがある。そして、住基ネットから人々のプライバシーを守るために政府が考え出したのが、個人情報保護法なのである。これまた「危険性が高い法律」とされている。
個人情報保護法の「危険性」のひとつは、報道の取材規制にある。しかし、住基ネットの「危険性」を抑えるためには、個人情報保護法は欠かせない。この2法は、セットで考慮しなければならない。
もし、今国会で審議されている個人情報保護法が廃案になって、8月に住基ネットが施行されたら、「危険」である。全ての報道は、これを阻止するための「個人情報保護法試案」を準備してほしい。
166.政治家の情報公開の問題点について。
国会議員の先生が講師として招かれる政治勉強会に出席して、質疑応答時間にこちらの要望を伝え、先生に聴いていただけて安心する。しかし、たまたま先生が発行しているメールマガジンを見ると、この政治勉強会のことには触れられていなかったりする。
となると、もとよりこちらの要望は先生の眼中にも入っていなかったのだなと、正直がっかりする。下手すると、「この先生は実際は信用できない先生」という強い先入観を持ってしまったりする。
メールマガジンやホームページやFAX通信なんかで自分の意見行動を公開している先生がたは、従って自分の全ての行動を公開した方がいい。下手に省略すると逆効果になってしまうわけである。
自分の行動の全てを公開しろなんて、政治家にプライバシーを認めない意見のようである。それなら、全く情報を公開しない方が有利なのかもしれない。中途半端な情報公開は相手に誤ったイメージを与える。安易に情報公開はしない方がいいのかもしれない。
こちら側、政治家の情報公開を受ける人々は、政治家が情報公開をしないという選択肢もあるということを考えて、現在の情報公開の程度で甘受し、文句を言わないことが求められるのだろうか。
情報公開しないことが「モラルが低い」ということなら、モラルが低い政治家に人々が合わせるしかない、と言っている感じだ。
167.ワールドカップサッカー万歳!について。
サッカーワールドカップが連日続いていて、うれしい限りである。毎日面白いサッカーが見られて幸せである。サッカーの嫌いなかたには最悪な日々が続いているのは申し訳ない気もするが。
メディアや急造サッカーファンが騒ぎすぎ、という感もなきにしもあらずだが、サッカーワールドカップは世界でもっとも大きな祭典であり、オリンピックに匹敵する。サッカーは世界共通のスポーツであり、その競技人口、注目度は世界最大である。日本が騒いでいるとき、世界の人々はもっともっと騒いでいるに違いない。
テレビ中継が増えて、地上波でもほとんどの試合を見ることができるようになった。撮影・実況解説技術が上がって、楽しく試合を見られるようになった。韓日開催なので、約3分の2の試合が夜のちょうどよい時間に試合が行われる。こんなことは今回限りだ。
今年の韓日大会は、素晴らしいゴールゲッターが期待通りゴールを獲り、日本代表の活躍も素晴らしい。審判も今までの大会と比べれば正確である(今までの大会の審判はもっとひどかった)。ただ、強豪オランダ、フランス、アルゼンチンの早期敗退が惜しい。
気がかりは、ワールドカップサッカー韓日大会が終わったとき、日本サッカーはつまらなく見えるだろうことだ。私は4年間、あのワールドカップの素晴らしさを回想するのみなのだろうか。
168.国会会期延長のさまざまについて。
6月19日に会期末を迎えるはずだった第154回通常国会は、与党の決定により、7月31日まで、42日間延長された。
今国会は、平成14年度予算案審議こそ順調に済んだものの、平成13年第2次補正予算審議からもたついて、議員や省庁の不祥事が切れ目なく続いて審議が止まり、与党も足並みが揃わないせいか、会期末近くの強行採決も健康保険法改正案など数例に過ぎず、重要法案が軒並み審議未了して、やむを得ずの会期延長である。
報道で有名になった有事法制やメディア3法、それから総務省や厚生労働省所管法案の審議遅延が目立つ。42日間の延長で全ての法案が採決するには短すぎるような気がする。野党議員提出法案は相変わらず店ざらしで、野党にとっては悲惨な状況が続く。
国会は多数決で全てが決まるので、過半数を取れないと本当に厳しい。社会情勢は与党の分裂からの政界再編を望んでいるみたいだが、選挙に有利である与党を割ろうとする動きはないようだ。
ただ、委員会の委員長は慣例により議会勢力に比例して割り当てられ、野党の委員長もいる。メディア3法が止まっているのも、所轄委員会の内閣委員会の委員長が民主党議員で、議事をコントロールしているところも大きい。しかしこれも慣例だから、次国会から委員長全てが与党に取られてしまうなんてことが起こりうる。
169.議員除名の2つのケースについて。多分その1。
横浜市会は25日、議場の日の丸掲揚に反対して議長席を占拠した少数会派の2市議を賛成多数で除名と決し、議員資格を剥奪した。
国会では鈴木宗男代議士の議員辞職勧告決議案が賛成多数で可決された。さて、なぜ鈴木代議士が議員辞職せず、前出の2市議が議員辞職を強制されるのか、一般人の私には結論が出せない。
神奈川新聞6月25日付けの解説は難解であるが、憲法58条、国会法122条による国会議員の除名処分は三権分立に抵触するので不可能、という暗黙のルールがあるのだ、と説明されている。
しかし、憲法55条、国会法111−113条「議員資格争訟」による除名がある。これについては私はよく知らない。私のにわか憲法知識ではいかんともしがたい、というのが本音である。
また、「除名の元となる行為が院内か、院外か」というので明暗が分かれた。前出2市議は院内、鈴木代議士は院外での不祥事であった。議員の除名は議会の秩序を守るための議会の自浄作用と解されている。憲法の意義を察するに、これはうなずかざるを得ない。
少数会派の議員を多数決で除名するということが民主主義に値するかという問題がある。しかし、議長席占拠という行為を憤る人々が結果的に自民党から共産党までの多数にわたったと考えるよりあるまい。議長席占拠は55年体制の国会でもあったはずだが。