[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」


 15.「真の国会議員」について
 地元への利益誘導を行わず、自分の専門分野を究めて、もっぱら国のために働いている国会議員こそ「真の国会議員」と呼べる人ではないだろうか。今回はそんな国会議員を2人紹介する。しかし、欠点が目立つのもこの手の国会議員の特長でもある。
 自民党の河野太郎代議士は、政局政治家のイメージが強いが本来はエネルギー・環境問題の専門家である。彼は「太郎塾」というエネルギー・環境問題を専門的にやっている学生や研究者を集めたシンクタンクを持っていて、彼のメールマガジン「ごまめの歯ぎしり」ではほとんどエネルギー・環境問題に関係する委員会や自民党部会での内容がレポートされている。国政報告会でもエネルギー・環境問題を地元の人にわかりやすく説明している。この点では非常に頼りになる政治家である。
 一方彼は「自民党」「河野洋平の息子」「選挙区」に執着している。「自民党の明日を創る会」の会合に、自分の選挙区の人々を招待した。選挙区の人とそうでない人との対応が全く違う。今回の政局でも「他党と組む加藤氏には正当性がない」と一線を画している。
 民主党の山井和則代議士は老人福祉問題の専門家である。特に「身体拘束問題」を専門とし、あの年代での老人福祉関係での現場経験はトップレベルであろう。彼の老人福祉問題を語る切羽詰まった姿勢は非常な共感を呼び、若手であるだけに期待が高まっている。
 気配りは足りない。聴衆が足腰が鍛えられている老人福祉関係者だからよかったが、聴衆を立たせたまま延々と演説をすることがある。話したいことを短くまとめるという技術が彼にはないから、委員会での質問も中途半端に成らざるを得ない。他のことに関心のないので、一般人相手の選挙には絶対勝てないタイプなのだが、比例制度に救われている。


16.立法府が行政府に負けたのではないかと思わざるを得ないことについて。
夕刊が出ても勝敗の帰趨は公にされなかった。NHKでは「いわゆる主流派は」と枕をつけて報道していた。結局皆が予想屋となるしかなく、本当のところは誰もわからなかった。しかし、加藤氏は自らの戦略をその実行の土壇場で放棄した。
加藤氏・山崎氏は言動不一致を起こした。政治家として許されざる事である。しかし、田中真紀子氏や「自民党の明日を創る会」のメンバーも政治家としての限界を露呈させ、国民の信用を失ったであろう。野党の有力者も、自民党内の分裂を自分達の利益となるように積極的に動かなかった責務が問われる(不信任案に賛成するなら選挙協力をする準備を整えておく必要があったのに)。与党は国民による内閣支持率を一蹴し、国民による内閣ではなくなった。
景気回復のための補正予算に賛成しない加藤氏は政府与党の一員として政府与党を批判する大義名分を持たない。まして野党の出した内閣不信任案を利用して権力を握るとは卑怯な行為である。今回の加藤氏らの行動に意外に批判が多かったのは、この辺に原因がある。しかし、補正予算や2001年度予算は役人が策定したのを与党が自分の都合の良いように手直ししただけではないか。政府与党は制度上の問題もあれ、国民の意思を無視して役人の意思を代弁する機関になってしまったのか。
野党としては、今から勉強して、あるいは人材を育成して、目標は自らの手で予算を策定することに置く必要があるのではないか。必ずしも今回の事件で役人が国民の「敵」になったわけではないが、こんなに政治に失望した後である。とりあえず与党も野党も政策立案能力を持って、どちらが国民の生活を幸福にするか選ばせて欲しい。


 17.これからの政治のかたちとはその1、について。
 「18時から、品川で開かれた『政経フレッシュフォーラム』に参加。若手の議員と若手のベンチャー企業の経営者との懇談会。(中略) 『一度も投票に行ったことはない。投票に行くヒマがあったら仕事をしたい。自分も自分の領域でしっかり仕事をしているのだから政治家も自分で努力をすれば良い。こんなところに人の意見を聞きに来ていることがおかしい。日本はもうおしまいだから日本にこだわるつもりはない』と発言した起業家がいたため、『外国に移り住むとしても、その土地では住民が政治参加をして良い社会を作るための努力をしてきたから暮らしやすい社会ができたということを忘れてはならない』と、反論した。」
 冒頭の引用は、水島広子代議士の2000年9月20日の国会レポートからである。水島代議士に発言した一企業家こそ、これから政治家になろうとしている地盤も看板もそろばんも無い若者が集票のターゲットとしなければいけない人々の典型例なのである。正直に言えば、新たに政治家になるのは非常に難しい、と言っているようなものである。
 この一企業家は当然「支持者」ではない。むしろ「批判者」である。自分は「自立している」と思いこんでいて、実際自分の考えられる範囲では自立しているのだろうが、それなのに政治家の集う会合に出席して質問するのは、どこか無意識に自分は完全に自立していないと感じ、自立していないところを政治家に何とかしてもらおうと思っているふしがある(本人は否定するだろうが)。
 しばらくこの一企業家の発言を考察していきたいと思う。これからの政治はどういうかたちになっていくのかについて考察していく良いサンプルになると思う。


 18.今国会での議員立法について。
 「あっせん利得処罰法」が22日成立した。この法律は亀井義之代議士を代表とする与党3党の代議士を発議者とする議員立法である。今国会は重要法案のなかでも議員立法が目立った。公職選挙法の一部を改正する法律(非拘束名簿式の導入など)は片山虎之助参議院議員を代表、「少年法の一部を改正する法律」は麻生太郎代議士を代表とする議員立法である。さらに、「あっせん利得処罰法」には菅直人代議士を代表とする野党案もあった。
 特に与党案と野党案が出た「あっせん利得処罰法」の審議は非常に熱心に行われた。というのは、委員会では質問に対し答弁は発議者である議員が行う。議員同士の応酬があったのである。さらに野党案に対し与党の議員が質問を行い、野党の代表者が答弁する一幕があり、与党の質問者は大いに野党批判を行った。本会議でも与野党案が同時に審議され、各党の代表者が討論し、与党野党がそれぞれ対案の批判合戦を行った(その時の保守党の演説者は松浪健四郎氏で、激烈な野党批判をやったのはいうまでもない)。
 結局は多数決で野党案が否決され、与党案が採決されたのだが、国会が議員同士の法案作成・議論の府になってきたのであり、喜ばしいことだろう。問題なのは報道で、相変わらず結果だけ、結果の批評だけの報道で、法律の制定過程など眼中にない報道をやっている、それで「議会は形骸化した」なんて論調をやるのだから語るに落ちる。
 濃い内容の審議のおかげで、今回のあっせん利得処罰法の利点・弊害がわかりやすくなった。私の印象に残ったところは「官僚が政治家の圧力に対し『その圧力はあっせん利得罪処罰法に抵触していますよ』と脅しをかけることができる可能性があり、官僚が政治家に対し優位に立つ契機になる可能性がある」ことである。これは勘弁して欲しいが。
 (後記:この後、読売新聞が議員立法についての記事を出しましたので、私の報道批判はあたらないものになりました。お詫び申し上げます。)


 19.元下請け会社の人々は公明党に投票?(煽りになってしまうかな)、について。
 親会社が倒産して、そこからの注文が無くなった下請け会社の関係者は、今の不況の影響をもろに受けている人々である。彼らは今までは自民党に投票していたのだろうが、対不況政策が不振であるこの政治状況で、彼らは今でも自民党に投票するのだろうか。
 もしかすると今まで下請けでやっていた会社は、やり方次第で結構儲かることができるのかも知れないなあ、などとも思う。(11月28日のWBSを見たのだが)例えば車の部品は海外ではまだ売れる。そこでIT技術を使って情報を流したりバイヤーを探して交渉したりできる。いわゆるEコマースという奴で新たな顧客関係を作るのである。材料もどこで安く手に入るかがIT技術ですぐわかり、すぐに契約できる(マクドナルドがそうか)。IT技術によって市場が狭くなり、安く買って高く売るチャンスが増えたので、ある意味では身軽になった元下請け会社が儲かりそうであると私は考えた次第。最も世界を相手にする度胸が必要になるが。下請け企業の人は少人数で会社の全てをやってきた猛者が多いから、これからは親会社に切られた下請け会社が親会社をきれいに抜き去る多国籍企業になる、なんてことが日常茶飯事になるかも知れない。
 で、そんな彼らが選挙の時にどこに投票するかというのが問題である。もしかすると、公明党かも知れない。世界に出るときには拠り所が必要、それを宗教に求める人は少なくない。一応世界に支部のある創価学会や、与党にいる率が高く弱者に援助をしてくれる公明党は彼らにとって役に立つかも知れないのである。
 空想に近いことを書いているが、あるカテゴリーの有権者層がどういう投票戦略を採るかということを考えて、政党は選挙戦略を立てないと勝てないと思う今日この頃である。


2000年11月へ    ホームへ