
108.唐突に外務省を非難することについて。
アメリカ同時多発テロに対する日本の対応において、小泉首相と官邸と外務省が、「ショー・ザ・フラッグ」と「湾岸の轍を踏むな」を合い言葉にして、アメリカの軍事報復作戦に全面協力している。
特に外務省は、「米国が各国の成績表をつけている。ここで『×』をつけられたら日本は立ち直れない」(9月30日神奈川新聞)と、「『対米追随』に全くためらいもない」(同)状態である。
私は以前、「田中外相と外務省は、『親アメリカ』と『脱アメリカ』との2元外交をしているに違いない」とこの政治コラムに書いたが、残念ながら撤回しなければならないようで、外務省はアメリカの国益を第一に考える「アメリカ内務省日本局」みたいである。
さらに異様なことは、外務省は田中外務大臣を全く無視して仕事をしている。小泉首相と会っているのも外相ではなく次官以下外務省の高官である。外相も外相で、パキスタン行きを命じられると「これは小泉、福田のワナね」と、信じられない理由で拒否している。
外務省を民主的にコントロールする外相が機能してなければ、不祥事問題をあっちにおいて外務省が日本ではなくアメリカのために奔走している。これは大問題なのではないか。少なくとも社民・共産・自由各党は、外相不信任案の準備をして問題を糺すべきである。
109.委員会における野党の役割について。その1。
今年の5月31日に開かれた参議院環境委員会(第151回国会、会議録12号)では、「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」(法律番号73)に関する参考人質疑と審議が行われた。
参考人の一人が、国土交通省と環境省との間で3月2日に交わされた「覚書」の存在を表明した。その覚書というのは5月30日に参議院事務局からその参考人のもとに他の参考書類と共に送られたもので、「環境省や都道府県は道路行政において国土交通省に関与しない」という内容のものだった。審議中の法律案には、都道府県は大気汚染防止に関し意見を述べることができる」とあった。
参考人の表明を受けて、民主党の福山哲郎議員が国土交通省と環境省の政府参考人に法案と覚書の矛盾を追及した。政府参考人の説明に納得できない福山議員が環境委員長の吉川春子議員(共産党)に審議停止を要求、川口環境大臣が釈明を試みるが不規則発言が続出して審議が停止された。再開後、川口環境大臣が、覚書の破棄を明言して、福山議員は質問を終え、法案は全会一致で可決された。
その後、清水澄子議員(社民党)が、覚書の破棄が法案の内容に影響しないかを質問したが、影響はないとのことだった。
110.委員会における野党の役割について。その2。
そもそも、先の法案と矛盾する政府内の覚書の存在は、既に議員の誰かが知っていて、その議員が覚書を参考人に配付するようにと参議院事務局に要請したから、今回の覚書の暴露並びに破棄という、「いうなれば政府に対する野党の快挙」がなされたのである。どの議員がそんなことをしたかといえば、この覚書を取り上げた、環境問題のスペシャリストである福山哲郎議員に違いない。
しかし、福山議員はこの覚書の存在を参考人に言わせている。自分が発掘したものなら自分が言い出せばいいのに、なぜ参考人を介在させたのだろう。その後の民主党や福山議員の発表や新聞報道では、「快挙」は福山議員が成したと書いており、参考人のことは出ていない。実はこの法案の審議中で、他の野党議員が別の覚書について自ら言及している。手続き上の障害でもあったのだろうか。
ともかく、破棄された覚書を探し当てた福山議員は環境委員会の委員としての責務を立派に果たしたと言えよう。また、普通の委員会なら、この手の追及は政府参考人が釈明して、納得しないけれど時間が来て他の質問もあるから終わりと中途半端に終わるのが常だが、徹底的に追及した福山議員と吉川委員長の「野党タッグ」は、野党が委員会で果たす役割を例外的に果たした功績があるだろう。
111.いわゆるひとつの「国会」案内について。
「国会」とは、実体的にいうと、国の立法に携わる作業のために作られた国の建物の総称で、議事堂の他にも様々な建物がある。
まず、「国会議事堂」は、皆様ご存じの独特象徴的な形をした「本館」の他に、「分館」という四角い建物が隣にあって、建物があって、特別委員会などの一部の委員会は分館で行われる。従って、本館に行くのは本会議のときだけ、という議員さんもいらっしゃる。
国会は衆議院と参議院とで半分に分かれていて、分館も両院にある。さらに、「別館」なる建物も両院にある。これは、議員面会所や傍聴受付などの各種窓口や、政府委員控室や国会関係者の方々のための福利厚生施設等がある。以上の建物は同じ区画の所にある。
さらに、両院に「第二別館」がある。これは、国会の職員さんの働くオフィスである。もっとも一部の職員さんは本館で働いている。
そして、衆議院に2つ、参議院に1つの「議員会館」がある。ここは議員さんの国会用事務室である。もっとも議員さんが議員会館にいる時間は少なく、秘書や事務の方々がここの住人である。議員さん主催の会議などが議員会館の会議室で行われることも多い。
その他、国会記者会館や国立国会図書館や議員宿舎などが、広い意味での「国会」といえるだろう。実にいろいろな種類の多くの方々が、この「国会」を舞台に活躍し、政治をやっているのである。
112.テロ関係法案と国会議事堂の最近について。
「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案」という「じゅげむじゅげむ」が国会議事堂内に蔓延し、関連文書を長くさせ、関係者の舌を噛ませ、この法案の作成者の苦労を偲ばせる。
この法案を含む通称「テロ特措法」は、他にもいろいろな点で議事堂を混乱に陥れている。新しい特別委員会が衆議院で設置されたので、参議院では合同審査会で行くのか、どの委員会が何を担当するかで折衝が重ねられたり、会議録の各部署への配分数でもめたり、臨時の人事が行われたりである。些細で大事な仕事が増えている。
13日の土曜日に衆議院で参考人質疑があるのかもしれない。事実、国会内食堂は13日は休まないようである。しかし、職員さんのどこまでが休日出勤になるだろう。私も出勤なのかなあ。
連日、しかも一日中、小泉首相がテロ特措法関連で各政党からの質問を受けているが、各政党が微妙に違う観点から質問するのに対して、首相の答弁が同じことの繰り返しに聞こえる。首相は相当疲労しているようにも見受けられる。もしここで首相にもしものことがあったら、それこそ予測を越える大混乱が来そうで不安である。
113.テロ特措法案審議における国会論戦の重要性について。
テロ特措法案に関する国会論戦を観ていると、小泉首相ら政府の答弁は質問に対して「〜と思います」とあやふやで、答弁の後ろに法案の趣旨説明だか法案に対する重要な政府解釈の追加だかわからない口上が加わって、人々には理解しにくいものになっている。
さらに、国会論戦とは別の所でこの法案に対する与野党の対処が決まっているようなので、どうも「国会軽視」の感が否めない。
というのは、民主党が国会でテロ特措法案に散々難癖を付けている一方で、この法案を審議する特別委員会の理事会などでは与党と民主党との法案の修正協議が進んでいるというのだ。もっとも、武器使用の基準や武器弾薬の輸送に関する細目は政府答弁で慎重姿勢を表明する、ということで与党と民主党が合意する方向らしく、国会論戦が全く意味がないとは言えなくなっているのである。
ということは、民主党政調会長で特別委員会の民主党理事である岡田克也氏の12日の質問と政府答弁は非常に重要だったのだろう。もっとも私にはあの論戦は実がないと不覚にも思ってしまったが。
国会論戦の場を野党と国民の単なるガス抜きの場にしないためにも、質問には工夫が必要だろう。質問は短く、多くの事項を聴いたほうがいい。事前通告を極力排して、相手の意表を突く質問をして相手を答弁原稿から目を離させて真の論戦に持ち込んでほしい。
114.国会議事堂内外の厳戒態勢について。
17日はテロ対策関係委員会がなく、雨が降っていたにもかかわらず、衆議院の議員会館前には数人程度のデモ隊がいた。テロ対策特別委員会が行われた15・16両日には、数十人程度のデモ隊が、色どりどりの旗をなびかせ、大声をあげ太鼓を鳴らして、1日中デモをやっていた。特に混乱もなかったが、多くの警察官がデモ隊を監視しており、鳴り響くデモの音の中に近寄るのがためらわれた。
1960年代の安保闘争のとき、国会議事堂は3万人のデモ隊に囲まれた日があったという。その日は雨で、3500人の警官隊が国会構内を守ったという。議事堂にいてそんなことを考えると、私は恐怖を覚え、再びそんなことが起こらないようにと願う。
炭そ菌などによる生物兵器によるテロの恐怖は議事堂にもあるが、具体的な対策はこれからである。私は部屋のゴミ捨て係なので、ゴミ捨て場に怖いものがあるかもしれず、一応マスクを用意している。
永田町に警視庁の装甲バスが走り回り、議事堂内には通常よりも大人数の衛視さんが2、3人組になって警戒している。この状態なら、油断がない限り陸上からのテロ防御は全く心配ない。
中学生のとき、「国会議事堂の地下に核兵器に耐えうる防空壕がある」と聞いたことがあり、「国会議員だけズルイ」と憤慨したことがある。まさか議事堂で働くなんて、当然当時は思わなかった。
115.解散をやってほしいなあ、と思うことについて。
全く個人的な思いなのだが、今現在は衆議院を解散すべき時期だと思う。小泉首相は自らの政策の信を人々に問うへきだと思う。
小泉首相は、「朝起きたら独断で『解散』と言える人」、「結局海部総理みたいに、実力者に抑えられる」という両極端の評価がある。ハンセン病訴訟の控訴断念を決断した小泉首相だけに、用意周到、衆目を逃れながら解散の準備をしているのかもしれない。
しかし今現在、滋賀2区と宮城4区の衆議院補選が行われている。自民党がどちらかでも議席を得たなら、議席を得た人に再び選挙を強要する衆議院解散を小泉自民党総裁は決断できるであろうか。力を抜いて2連敗するならともかく、自民党は今回の補選に党幹部を投入して全力を注いでいると聞く。解散は遠いと言わざるを得ない。
だがしかし、アメリカ同時多発テロ対策や小泉構造改革などは、衆議院選挙が終わった後の日本の重要問題である。新しい問題に関する人々の議論は多々起こっており、新しい問題を契機に政界は再編成の兆しを見せている。そこで、政界を再編成した上で、人々の声を反映した衆議院で諸問題を解決するのが常道であると思う。
今臨時国会終盤に提出された内閣不信任案が与党の一部の賛成で可決され、小泉首相が解散を断行、お正月あたりに当開票。無理がありすぎるか。どうやら話半分以上にはならないようである。
116.厳重注意を受けた作者読者のこのごろについて。
今現在、私はびくびくしながら国会議事堂に通っている。いつ上層部に呼ばれて、解雇を宣告されるか、全くわからないからである。
私は、国会議事堂に勤めている身分を悪用して、議員会館に意見書と共に自分のホームページを記した名刺を送ってしまった。自己顕示欲で名刺を入れたのだが、これが本当に命取りで、下っ端が出過ぎたことを、と国会議員の先生方の逆鱗に触れたのであった。
逆鱗に触れ、仕事先の上層部にクレームを入れた先生はまだお一人らしい。他の方々は無視したか、逆鱗に触れただけだったのかもしれない。とにかくクレームは1件だけだったから私は厳重注意である。あと何件かクレームが来たら、私の解雇は避けられない。
この事件で私の他にも私の上司の方が同じく厳重注意を受けてしまった。部下の管理を怠ったという理由である。私にとってはこちらの方が残念で、恥ずかしかった。私は上司の方に相談しないで今回の行動に出たのだから、上司の方は全くの無実である。世の中の不祥事では、「この事件は組織ぐるみか」とよく疑われるが、今回は個人の失態である。組織には、むしろ迷惑をかけてしまった。
もし解雇されたとき、あるいは自ら辞職したとき、私は再びメールマガジンを本格的にやることを考えている。契約は来年の3月まで、再契約を望んでいたが、可能性はほとんど無くなった。